第27節、G大阪戦

 両者にとって勝ち点2を失う、痛み分けのドロー。ただ首位を狙うG大阪にとっては手痛い1-1、順位を上げられず中位で喘ぐ時期の続く横浜にとっては、手痛いながらも気概は見えた1-1、なのかな。勝てなかった試合で、目を引いたものは、久々にある種の手応えを感じる守備陣の意地と、山瀬の個人技。
「今の順位・状態の中でG大阪と対戦をして、この内容の1-1なら、順当」という印象の試合でもありました。

→ゲームデータ【http://www.f-marinos.com/topteam/report/?code=1160442258
→選手コメント【http://www.jsgoal.jp/news/00039000/00039248.html
→ゲームレポート【http://www.jsgoal.jp/news/00039000/00039291.html



 このところ、点が取れない展開が続いていて、攻撃陣に不満の残る試合が続いています。この試合も、前半の山瀬の一点の後、追加点は奪えず。というより、シュート自体を殆ど打たせてもらえずに、ドローという結果。
 ただこの試合は、久しぶりに横浜らしい堅守の色も、少しずつ戻って来たと感じさせる試合でした。
 松田の右膝痛による欠場の為、3バックの中央には那須が出場。3バックの中央に入るののは、随分久しぶりに見る気がします。試合開始から、前から前から、積極的に出て行って潰してしまおうという強い意識を持って、チャレンジしていた気がします。密かにかなり妙な心配して見ていましたが*1、ハラハラさせるところもありつつ、他の守備陣と連係・集中して、よく最後まで粘り強い守備をしてくれたかなと思います。那須といえば、「挫けない気持ち」の持ち主、それをよく体現するプレイはしてくれたと思って、見ていました。
 そして何度となく飛び出した、哲也のファインプレイ。「果敢な飛び出し」とよく言われますが、まさにそういった感じの勇気あるプレイで、最後の最後のところでチームを支え、救うプレイを見せてくれました。今回は3バックの中央に那須が入って、いつもと少し違うメンツになったこともあって、GKとしても気を遣う部分があったのではないかと思いますが、ああいう頼もしいプレイが、気持ちの面でもチームを奮い立たせるところはあったのじゃないかな、などと、勝手に思いながら見ていた次第。
 試合全体を無失点で終われれば、それが一番だったのは言うまでもないことですが…、まあそれは現状でのチームとしての力量差が出たかな、という気もする。今後の課題として、全員で頑張って行ってくれればと思います。



 いやしかし。この試合は、やはり山瀬のビューティフルゴール。
 テレビの前で、大声出ちゃったよ。そしてその後、何度リプレイが出ても溜め息の洩れる美しさ。本当の意味での「切れ」が、戻って来たのかなと思って、見ていて本当にぞくぞくしました。山瀬にはこれがあるねぇ…。
 試合全体を通して、決してチームは良い内容の試合ではなかったし、山瀬にしてもそれは同じ。相手に抑えられて、前を向いていい形で試合に絡んだシーンというのは多くはなかったと思いますが。しかしあの一点は、まさに目も覚めるような、会心の一点。素晴らしかった…! 山瀬の一点がこのドローの結果の印象を、良い方に救った部分も、正直結構あると思う。これがなかったら、もっともっと不満に残る試合になっていたかもしれない、それくらい印象的な得点でした。
 発見したので記念に動画を貼ってみる。YAMASE Goal vsG.Osaka

 試合は、山瀬がコメントで「あのゴール以外はいいところのない試合でした」と言っていたように、残念ながら山瀬の得点シーン以外は、本当に良いところはなかった。シュートは殆ど打たせてもらえず。G大阪はチームの要である遠藤選手不在のスクランブルの状態だったこともあり、勝てない試合ではなかったようにも思う。守備陣は「今回も」、最後の最後に失点をしたことを悔やんでいるだろうし、攻撃陣は守備陣が奮闘していただけに、追加点を奪えずドローに終わったこの結果は、相当歯痒く思えているだろう。勝てなかったということ以上に、もやもやとしたものが不満として残る試合になっただろうとも思うのですが。
 手放しに喜べるような、大いに納得できる内容だった訳ではない。けれど、手応えがまるでなかった訳でもない。ある程度やれる、という感じは少しずつ戻って来ているのかな、という風に感じられる試合ではありました。あと7試合? どこまでやれるのか。残留はまだ確定していないけれど、ぎりぎりにいるような切羽詰った感情はなく。かといって優勝には届かず。あとは各自がどれだけ、それぞれに目標を持って、強い気持ちを持って戦えるか。モチベーションを保つのはプロとして当然だけれど、多分こういう時だからこそ、応援する人は選手の皆さんの戦う姿勢を見ているものだと思うのです。
 これから良いところを少しでも多く、良い試合を一つでも多く、見せて欲しい。これまで勝てずに鬱屈していたものを、これからどう昇華していくのか。チームとして、選手としての力量が、問われているような気がします。

*1:個人的に大変思い入れの強い選手なので、かえって…(苦笑)。