第20節、京都戦。

 水沼新監督を向かえた、チームは初戦アウェーでの京都戦。大変今更ではありますが、自分メモとして関連記事のまとめ中心エントリー。久保・奥の復活や、あわやハットトリックかという山瀬の2G2Aの活躍もあり、お預けだった河合くんのところの息子さん誕生を祝うゆりかごパフォーマンスも飛び出す、笑顔笑顔の4-0快勝劇。
→ゲームデータ【http://www.f-marinos.com/topteam/report/index.php?code=1156475618

「岡田さんには、(勝利を)ささげたいというか…。『とりあえず1回勝ちましたよ』って伝えたい」→【http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20060828-OHT1T00092.htm

 以下だらだらと雑感。



 久保・奥の復活、山瀬の長期離脱後の本格覚醒を思わせる活躍、そしてこれまで立ち込めていた暗雲を払う4-0という快勝の味。どれも「待っていた!」と、文字通り待ち侘びていたものばかりの試合でした。嬉しかったなぁ。勝利の味って、他の何物にも代えがたい甘い蜜の味なんだね。改めて思いました。
 でも嬉しかったのは、やっぱり選手達、そして監督やスタッフ全員が、はちきれんばかりの笑顔を浮かべてくれていたことでした。勿論、試合に勝ったから笑顔、監督交代後の試合で結果が出て緊張が解けたことの笑顔という意味はあったのでしょうが、それ以上に、チームが前向きに、明るさを取り戻そうとしてくれているのが透けて嬉しかったのです。試合の内容はね、全てが全て、いい時間ばかりではなかったと思うけれど、これまでに比べれば、前からプレスに行って、明らかにチーム全体が躍動しているような生き生きとしたものを感じられました。選手が楽しんで試合に臨んでいること、監督交代後、思えば大きな変化はそれだけなのかもしれません。でもそれこそが、なにより必要な、変化。



 私は自宅にて中継観戦でした。この試合は、前から積極的に行く意識が全体に強くて、見ていて本当に楽しかったです。これまで、わりにパスパスという意識が強かった中で、特に山瀬の持ち味がいい意味でチームに良い影響を与えていたように思いました。水沼さんも試合後、「前半、山瀬功がいい狙いを持ってくれていたので、後半も、それを続けてくれるようにと指示していた」とコメントしています。
 元々の山瀬の持ち味だと思いますが、パスの受け手となるべく走りこんだり、自分がボールを受けてはドリブルで突っかける動きなどを繰り返していた。パス以外の選択肢への意識が高いことで、それまでなかったテンポみたいなものがチームに加えられて、特に効果的に活きていた気がする。山瀬自身も意識した動きだったようで、「とにかくゴール近くにいようと意識して、個の力で仕掛けようとした」とコメントしています*1。中継終了の時点では、山瀬のハットトリックという扱いになっていて、まさに山瀬の日という感じでした。いやハットが公式記録が2G2Aだとしても充分に、この日は山瀬の日だったね。
 また一点目、奥から山瀬、山瀬が空いてDFを引きつけて久保と繋いだ得点は、チームの攻撃陣が互い絡み合って取ったもの。こちらも、口開けの一点という意味以上に、大きな意味を持つ点だったかなと改めて思っています。チームの攻撃陣、取るべき人がきちんと取ってくれると、チームのムードはそれだけで盛り上がる。彼等が活躍してくれたことが、特に監督交代という不測の事態の後だけに、チームに大きな安心を齎したように思います。
 二点目、三点目もそれぞれに素晴らしいし、四点目は坂田がボールを持っているところに山瀬が長い距離走って来ての得点。得点はどれも等しく素晴らしいですが、やはり口火を切る一点目が、ああした選手の絡みからの得点だったのは、チームとして前向きだなぁと思えて嬉しかったです。



 水沼さん監督就任の会見では、日程的に彼個人のやり方や色を求める時間がないこともあり*2、とにかく前向きに、チーム内の雰囲気を明るくしたい、という主旨のコメントをしていました。
 試合翌日、上がってきていたスポーツ紙記事に、こんな一文がありました。

セットプレーの練習も、課題の守備面はあえて目をつぶり、攻撃のみ行った。「ダメなところを直さなきゃ、と気持ちが後ろ向きになるのは避けたかった」と同監督は説明した。徹底したポジティブシンキングで、チームは前向きに動きだした。
→【http://www.nikkansports.com/soccer/p-sc-tp0-20060828-81886.html

 この言葉を聞いて、チームの一番近くにいて、選手達と接し続けて来ていた水沼さんがチームを引き継いだ意味があったのかなぁと思いました。
 結果が残せずにくすぶっている間に、選手達の間に蔓延った、「ダメなところを直さなきゃ」という意識。これは多分、選手の誰もがみんな、とても真面目だからこそ、選手の多くが、ひいてはチーム全体がこういう意識に囚われてしまったのだろうと思うのですが。チームを変えようと思った時、その部分から着手しようと思えたのは、これまでコーチとして傍でチームに関わってきたから。そして選手達をよく知っているから水沼さんだからこそ、選手達にかける言葉が、それぞれの心に届く的確な言葉だったのじゃないかなと思うのです。だからチームが前向きに、明るく変わっていけたのではないかな。「監督が変わった」ということは、一つの大きな変化です。選手達もこれまで以上の気持ちで試合に、練習に臨んだことと思います。でもやっぱりそれだけじゃない、「水沼さんだから」作用した部分は、思いのほか、大きかったのではないかなと改めて思っています。
 取り立てて大きな変化をした、第一歩ではない。本当の勝負はこれから。でもその一歩が白星で飾れたことが、「これまでやってきたことが無駄ではない」という、良い自信になる。少しでも上を目指す為に、明るい一歩が踏み出せたと思います。ああ、よかった。



 ところでこの記事な。

 山瀬功は自身2度目の快挙を逃し「それでボーナスが出るならしたいですけど」とおどけた。→【http://www.sanspo.com/soccer/top/st200608/st2006082801.html

 ボーナスでハット本気で狙うなら、ボーナスなんていくらだって選手に差し上げてください、と! 頼みます社長(笑)。

*1:→該当記事はカナロコhttp://www.kanaloco.jp/jleague/entry/soccerr/

*2:この連戦で、本当に練習の時間は殆どないですよね…