悲しみロックフェスティバル

カナシミ

カナシミ

 スネオヘアーの「悲しみロックフェスティバル」が堪らなく好きだ。もう結構以前に発売された曲だが、未だに何度聴いても飽きることがない。というより、回を経て聴くうちに、ますます好きになる。そんな言葉がないことは知っているけれど、敢えて言うなら「一聴き惚れ」した曲だ。
 一目惚れしたことのない私だが、一聴き惚れは数年に一度やってくる。数年に一度、根幹から揺さぶられるような、自分にとって何度聴いても色褪せないような楽曲に巡り会える幸せってものを感じることがある。音楽って本当に人を救うよ。この一曲が、この一フレーズがあと少し私を生かしてくれるんだと思わせる力があるんだよ。こういう言葉で褒めると、かえって陳腐になって楽曲の魅力も損なわれてしまいそうだ。でもあまりに感動すると、ベタな言葉以外でなくなる。寧ろ、そんな言葉すら出なくなる。本当に素晴らしいと感じたものは、素晴らしい、以外の言葉では表せないし、そもそも言葉で表した途端、真実自分の中にある感動とはずれてしまうものだね。
「悲しみロックフェスティバル」は、耳障りよく響く王道ポップチューンの出来栄え。全体に通じるメロディラインの切なさと、何より鋭く柔らかいところを刺し貫いてくる歌詞の危うさ加減が絶妙です。切なポップ上等! ていうか最強!
 ところでこの曲のPVって、撮影は西新宿? 延々ヘッドフォンをつけながら俯き加減で歩いているPVなんですが、無性に引き込まれるものがあります。なんだろう、ワタクシ、こういう佇まいの人に無条件に弱い気がする…。