三島由紀夫「奔馬」

豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)

豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)



 四部作の二作目なので、あまり多く語りようもないですが。とりあえずアマゾンの表紙イメージが新しくなっていないということだけ、なんとなく指摘しておきたい気分です(笑)。
 一部「春の雪」で清顕の友人として登場した、本多繁邦が物語を見届ける人物としての位置を当てられ、清顕の生まれ変わりである勲を巡る物語と関わっていくのだが。一部で見られた若き日の本多の、やや冷めた(時にニヒルな)現実感覚が、年齢と共にしっくり相応に身に付いたものになっていたのが、勲との出会いを境に、がらりと変わっていくところが非常に興味深いところ。
 というか、一部より明らかに本多が 可 憐 に描かれていて、うわあぉ、と思いました。これから三部・四部と進むごと年を経ていくはずの本多に、ますます目が離せません。(全部読んでいないから仕方ないとはいえ、われながら酷い感想だ…!)(自覚はあります! すみません!)