第1節、京都戦。

 さあいよいよ今年もJリーグ開幕です。結論から言うと、今年は本当に面白い一年になるのじゃないか、とすごくわくわくしました。昨年までだって勿論面白くチームを見て、応援しては来ましたが。先日の京都戦は、それ以上の期待度、わくわく感に心を満たされました。ああ、面白かった。


 日本でも屈指の守備陣を揃えたチームだということもあって、どうしても何かにつけて「守備」が強調され、注目を集める。それがここ最近の横浜というチームだったように思います。特に去年辺りは思うように点が取れず、ますます守備に偏らざるを得なかった。でも今年は違う。

 守備は、今年はある程度、目をつぶっても攻撃に重きを置いてやっている

 今年は竹のように真っ直ぐに、攻撃を志向するチームに生まれ変わろうとしています。もっとも、それ故に「守り切れない」という問題はある。上記に引用した監督コメントには「修正すべき点は、まだまだある」という続きがあります。それでも「如才ない守備」に終始するチームであるよりはずっと、見ていて楽しい、応援しがいのある方向性を、チームが打ち出そうとしている。この開幕戦は、なによりそれを感じられたことが一番嬉しかったように思います。


 先週のPSMを見なかった私にとっては、この京都戦が、2006年になって初めて見る「横浜Fマリノス」。岡田体制4年目の今年、今までに無い「新しいチーム作りを」志向するということを色々な記事で目にしていたこともあり、どういう準備をして、一体どんなチームになって来たのか。非常に楽しみにこの日を待っておりました。と同時に、どうも昇格して来たチームに弱い印象も漠然とあり、その辺りのイメージが変に残っていて、選手の足を無意識に引っ張らなければいいななどとも、密かに思っていた次第です。
 でもそんな心配は無用だった。蓋を開けてみれば結果は4-1。開幕戦ですから、京都側でも十二分に気合を入れて、満を辞して臨んだ試合だったとは思いますが、前半の展開があっけなささえ覚える内容。そういうこともあって、この試合だけで「今年の横浜」を占うことは、かえって難しいかなという風に思ったのも正直なところです。選手の側でも、似たように感じていたようです*1

 ただ4-1という結果の数字ほど、内容が本当に圧倒していたかというと、やはりそこはそうでもなかったですね。後半は、京都が横浜の攻めに慣れたのか、横浜側が既に3得点した後だけに前半ほどの勢いが失せたのか、随分攻め込まれる時間がありました。その中で与えた失点1。その時点までに得点は4点、ならば守備は失点0で終えてくれればとは、やはり思いました。
 …しかしまあ上述したように、今年の横浜は「守備にある程度目をつぶっても攻撃に重きを置いて」いるチーム。失点した分を攻撃し、得点で取り戻せるくらい、攻撃陣の爆発に期待したい気持ちでいます。勿論、結構危ういところまで持ち込まれるシーンもあったので、その辺りは次までに修正してくれることを祈りつつ、得点するべき選手がきちっと点を取って、難しいだろう開幕戦を無事勝利したことを、まずは喜びたいと思います。



 などと真面目に書いてみましたが。前半10分の怒涛の攻めとか、左サイドのブラジル人トリオの活躍などなど、思い出すだけで涎の出そうな試合でした。でへへ(汚い汚い)。ああ、見に行けて良かった。いやー本当に圧巻でした。マルケスマグロンドゥトラ。彼等三人で相手守備陣を手玉にとって、好きにゴールを奪い取りそうな予感。このまま彼等の関係を熟成させれば、いずれ横浜の魔のトライアングルと呼んでも過言でない最強タッグになりそう。嗚呼、末恐ろしい組み合わせだ…(喜悦)!
 これまで隼磨の定位置だった右サイドは、京都戦では吉田がスタメン。チーム全体としての空気が昨年とがらっと変わったこともありますが、初めて見た吉田は生き生きと攻め上がってくれていたように思います。ご本人は「マツと呼吸の合わないところもあった」という主旨のコメントも残していますが、それはこれからもっと詰めて頂くこととして。隼磨は途中交代で登場。こちらも負けられないという気合漲る様子で、多くはない出場時間に「アピールしよう」という気迫が見られましたね。攻撃の得意だろう吉田と、吉田と比べて守備の印象のある隼磨。それぞれ持ち味が違うので、状況や相手に応じて、彼等の持ち味を発揮できるような起用が見られるかなと思うと、今後右サイドも左に劣らず面白いことになりそうです。松田の攻撃力を生かす意味で、マツの右起用ということのようですが。上記右サイドとの絡みが、ますます楽しみ。
 で、その松田さんが右に移って、真ん中を勇蔵が押さえることになった3バックですが。特に前半はあまり仕事の多くない試合だったこともあって、こちらもその出来を判断するのはまだ尚早かな。ただ勇蔵は身長も高く、フィジカルも強く。元々ポテンシャルの面では、他のDF選手に引けを取らない選手なので、これから連係を高めていってくれるのは本当に楽しみです。…「マツさんの真似」などしていたのも、今や昔だなぁ(笑)*2



 来週は早くも鹿島戦。3月のうちに鹿島とも浦和とも対戦があるなんて、なんとなく「早くも」と言いたくなろうというものです。鹿島には行かれませんが、TV観戦は出来るかなと思いますので、開幕戦で感じたわくわくが本物かどうか、じっくり確かめさせて頂こうと思います。
 久しぶりに横浜の試合を見たことの満足、そしてそれ以上の意味での喜びを沢山感じられた開幕戦。これから一年、毎週のように、こんな突き抜けるような気持ちを味わえるかもしれないと思うと、サッカーファンは多分間違いなく幸せ者です。どうか、本物でありますように。そして選手の皆さん、次節もどうか気張っていらしてください。

*1:奥がコメントで、「この試合だけで(自分たちのサッカーができているか)判断はできない」と言っている

*2:以前、勇蔵はDFとして自分を強く見せようと、自分なりにマツの真似をしてすぐ声を荒げてみたりとかしていた時期がある。でも後にそれらに効果が無いことが判り、「マツさんの真似は卒業した」とどこかで言っていた、という話