多重人格探偵サイコ 11巻

多重人格探偵サイコ (11) (角川コミックス・エース)

多重人格探偵サイコ (11) (角川コミックス・エース)

 一年長ぇよ! コミックス最新刊出るまでに、それまでの全展開忘却の彼方だよ(笑)!

 そんなこんなで昨今、年一発行物となっておりますサイコの最新刊でございます。出た…とうとう出た…。ぶっちゃけ途中から私が楽しい展開とは微妙に離れて行った為、多少惰性で読んでいる節もなきにしもあらずだったサイコですが、ここ何巻かで、やる気が復活しておりましたのは、一重に鬼頭が男の純情を磨知にはっきり捧げはじめたから…!(笑) 行きがかり上という部分はあったろうが、結局は磨知の為に自ら道を踏み外して行く様に激しく萌えが走ったものでした。10巻は萌えたな…。
 そんな10巻の次の巻でございますから、鬼頭のその後がどのように描かれるか、非常に楽しみにして本を開いたのですけれども。いざ読み始めてみたら、一冊丸ごと回想で終わってた…! ちょ、待っ、今いいとこ! 鬼頭どこさ?!(笑)

 いやしかし登場人物の、今まで描かれなかった部分に触れた、多少物語の本質に迫った回想のようにも思われ、おもしろうございました。しかももういつ振りくらい久しぶりに西園伸二が! 伸ちゃんが…! バカなキャラクターを演じてくれていて、懐かしさ100倍。相変わらずグロさも100倍(苦笑)。
 まあしかしサイコの場合、というか大塚作品の場合、「物語の本質に迫った」と匂わせて絶対に本当の本質には辿り着かないし、「物語の本質」として用意されたものも意図されたフェイクであることも殆どなので、これはこれで「で、どうなのよ」という態度で楽しんで行けばいいのでしょう。
 渡久地も死に、当初の主人公キャラクタとしての雨宮一彦は消失し、全一は顔の皮をはがされて外見:別人になり、鬼頭も多分このまま死ぬだろう今。私はあの作品がもうどうなってくれようと別に構わない。とりあえず終わらせてくれという、最低限の願いさえ、大概叶わないのが大塚作品の定められた末路だからな…。物語の終わりは一つじゃないし、読み手が勝手に妄想で物語を消費すればいいじゃん? という立場の原作者を持った作品だけに、読み手の私もそうしたやり方に則って、「じゃ俺内妄想で超絶補完するんでヨロスィク★」と思って楽しんでいる次第であります。なんかアメリカの方で映像化(映画化?)の企画があって、進んでいるとかいないとかいう話を小耳に挟んだんですけど。どうなのー。実写かアニメーションかも知らないモレ(モレ言うな)。実写に限って言えば、大杉漣超える笹山はいなくね?
 サイコ11巻と同時発売で、サイチョコ2巻が出たみたいなんだけど、そっちはまだ読んでない。でもサイチョコで多少キャラの補完が出来るという話を聞いたので、おいおいタイミングを見計らって読んでみようと思っとります。押忍。
 でも個人的にはサイチョコより、八雲の偽史ものが早くまとまってくれないかなーというのが本音。自分内プライオリティ、今こんな感じ。

 偽史>何がしかの小説版サイコ(出れば)>>サイコ>>>>>サイチョコ

 森美夏大好きだというのもあるけど、多分一話完結的に短い事件に沢山かかわりながら進んでいく感じが好きだったんだなと思う。あとキャラが多重人格じゃないから、キャラの消滅とか死亡とかなくて、読みやすいんだよね(笑)。こればっかりは作品設定の違いで、趣味嗜好の問題なので、別に作品の良し悪しを語っているわけじゃないよ。念の為。
 それにしても連載順調に進んでるのかなぁ、偽史三部作。すごい好きなんで順調にまとまってくれればいいなと思う。東京ミカエルの時のこととかあるんで*1、無事刊行されることだけを祈っております。わー寂しい願いだ…。



 そんなことよりコミックス派の私は、ほぼ一年ぶりくらいに田島の絵に触れた訳ですけれども、ちょっと感じが変わったね。ペンタッチのニュアンスみたいなものとか、あと女性の裸体を描写する時の線の入れ方とか。最近はずっとあんな感じなのかなー。サイコに関しては本当に田島あってこそのマンガだと思う*2ので、お体大事になすって、どうか最後まで 揉 め ず に 描き切ってね(笑)。

*1:大塚が出版社と揉めただか色々あって、未刊行のまま長いこと放って置かれた…

*2:偽史三部作の森美夏も同様!