第32節、鹿島戦。

松田は粋に言う。「上位いじめっていうより、これが普通の実力だからね」
http://www.kanaloco.jp/sports/soccer/0511/jw05112401.html

この言葉を、松田がどんな風に口にしたか。その様子が見てきたように判る気がする、アウェーでの完封勝利。これでチームは4連勝。そりゃあ松田のコメントも冴え渡りますよ。マグロンはJ初ゴール、大島も二ヶ月ぶり?のゴールを記録するなど、横浜にとっては色んな意味で、胸のすくゲームだった模様です。


ゲームデータ:http://www.so-net.ne.jp/f-marinos/sokuhou/cgi-bin/view.cgi?id=10000290
選手・チームドクターコメント:http://www.jsgoal.jp/club/2005-11/00026552.html
ゲームレポート:http://www.jsgoal.jp/club/2005-11/00026592.html



まさに、ヒールの真髄を見る思いでした。中継すら見ておりませんが。
しかしリアル速報を追いながら、そういう気持ちで一杯になりました。「目の前の相手にただ全力で向かっていくのが礼儀」と、常々岡田監督も仰っておられます。その先に「空気の読めない」結果を幾つも生むとしても、敢えて、空気は読まずに、自分を貫きます。それが横浜としてのプライド、最善の「相手への敬意の表し方」。
これこそが一流のヒール、横浜Fマリノスの有り方。痺れた*1



広島戦に先発していた山瀬は控えに回り、この日は奥が先発。奥とマグロンが中盤前目に並び、ダブルトップ下といった感じのシステムであった模様。中二日での連戦は、元気な選手でも疲労が溜まるところ。完調でないらしい?奥と山瀬は、そういう部分も含めて、起用はローテーションなのかな。
ニッカンのスコアを見ると、シュート本数が鹿島14に対して横浜は10本。ポゼッションも僅かながら、鹿島に譲っている。ただ枠内シュートの本数は、鹿島3に対して横浜は6本と優勢。データはあくまでデータで、数字だけ見ても試合は判らないけれど、少なくともデータ上は、決定機の数では横浜が鹿島を倍、上回っている。その結果が、4連勝に結びついた、ということかもしれません。試合は攻守の切替の速い、激しい展開だったとのこと。奥も鮪も足をつるパワースピード系展開。…ああ、見たかった…(;´Д`)。←このブログの中の人は中継も見れていない、ちょっとした負けわんこです。



それにしても松田さんは、なんとも小憎らしいことを言う。「これが普通の実力だから」って。そうだというなら、最初から出し惜しみせず、全部の試合で実力を見せてやってくださいよと、ちょっと苦笑ぎみに言ってやりたくなります(笑)。
でもまあ「これが普通の実力」という言葉は、彼にとって、偽らざる実感なのかもしれません。鹿島は近頃主力が欠けたりと、なかなか調子の出ない状態とはいえ、まとまっていて最後まで優勝を争うチーム。この試合も決して落とせない試合として、集中を切らすことなく向かってくる。難しい相手だろうと思います。対する横浜はノープレッシャー。そういう状況をかんがみて、「これくらいのことは出来て当然」と、松田は思っているのかもしれません。
松田の自信溢れる試合後コメントは、いつも計らずもチーム内の空気を示す、率直なバロメーターになっている。聞きようによっては「増長」をも感じさせるような、鹿島側からすれば到底鼻持ちなら無いコメントですが、私は実のところ、すんなり頷いて読んでしまいました。
「うん、そう。いつも、これくらい出来るチームだよ」って。
ゴールシーンをダイジェストで見たきりの私の、言えることでもないのですが(苦笑)。でも「松田さんの自信過剰?キタ!」と突っ込むより前に、案外すとんと納得していました。実力を発揮出来る状況が、この時期まで整ってこなかったことは、非常に残念なことではあるけれど。本当はこれくらい、普通に出来るチームなんだよね。

松田さんのコメントは、いちいち私の心のツボを押すというか、いつもちょっと判断に迷うところがあります。今回のコメントなどは、まさにその典型のような感じです。発言に、自信の満ち満ちた様子が、手に取るようです。でもそうした印象のコメントであればあるだけ、頼もしいと言っていいところなのか、「過剰な自信は時に足元を掬う要素になるよ」と老婆心で忠告するべきなのか、本当は一瞬考えてしまいます*2
でも今回のところは4連勝の喜びもあいまって、尚のこと、松田らしいコメントが微笑ましく思えている次第です。ああ、嬉しいなぁ。河合くんなどからも「負ける気がしない」的コメントが出てくる、チームの状況(雰囲気)なんだろうということが、こちらに伝わって来るようで、それがなによりもすごく嬉しい。



ただ唯一?の懸念は、久保が負傷により途中退場したということ。ご本人曰く「多分、ニクバ(肉離れの略)」*3。久保経験値の低い方々にもよく意味が伝わるように?、今節jsgoalの選手コメントには、特別にチームドクターのコメントがセットで掲載されている。日本人なのに通訳?が必要な男、久保。負傷の情報には気を揉みつつも、思わず笑ってしまいましたよ…。
オフィシャル情報では、やはり肉離れで全治3〜4週間とのこと。久保自身、やっと本格的に復帰して間もないだけに残念だろうと思いますが、久保だけの体ではないことですし*4、焦らずじっくり治して欲しいものです。



次節は土曜。折りしもホーム最終戦に迎えるは、現在首位ガンバと勝ち点を並べたセレッソ大阪。相手はしばらく負けなしで、ここ最近では一番勢いのあるチームの一つかもしれません。絶対に負けられないという強い気持ちで、モチベーション高く、横浜に乗り込んで来ることと思いますが、横浜は横浜らしく。――ヒールの真骨頂を、見せて頂きたいと思います(笑)。

*1:横浜ヒール論に関しては、恥ずかしいほど語りつくしましたので(笑)、ご興味ある方だけ当該エントリをご参照ください。→勝つ為の布石、あるいはヒールの横顔。 - *Bootleg05*

*2:松田直樹の生き様、それは自縄自縛。なにかと無限ループに陥っては、チームメイトやサポーターを、はらはらドキドキさせ続ける男。もっともそれが松田の松田らしさで、憎めなさでもある訳で、私はそんな彼がなんだかんだと愛しているのでございます

*3:また一つ、素敵テクニカルタームを覚えたよ…

*4:選手の体はチームにとっての公共財?!。とりわけ久保くらいになってくると、横浜はおろか、日本の公共財と言っても過言でない、はず。大切にしたいものです