「裁判官の爆笑お言葉集」長嶺超輝

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

 お友達が貸してくれました。普段の自分だと、全然手に取らないような本ですが、いや面白かったですよ。取り上げられた一言には、その言葉に辿り着くにいたる様々な事情がある。それを考えると意味はとても重いのですが、そういうことをあまり感じさせず、最後までさらりと読ませてくれました。
 全て読んでも200ページと軽量で、右ページに判事のお言葉、左ページにはその解説。見開きで一セットで、どこから読み始めても良ければ、どこで読み終えても問題ない、気軽さも魅力(笑)。
 しかし普段小説ばかりしか読まない私には、「どこを開いても同じ形式」で、「どこから読んでも」「どこで読み終えても」いいというこの本は、逆に同じようなものが繰り返される故に、どこまでも終わりがないようで! たかが200ページなのに、「読んでも読んでも手応えの感じられない」、「終わりの見えない」不思議な本でもありましたことよ!(笑) 二三時間で読み終えたと思うんだけど、なんかその三時間がちょっとした不思議空間に入り込んだようだった! とても不思議な読書体験でした。楽しかったw



 まあなんかこう…。本自体はとてもフランクで、さくさく読んだのですが。判決を下すのは大変だなぁと思いました…。だって人の人生が変わっちゃうんだもん…。
 今度制度が出来て、誰でも選ばれると裁判に参加する仕組みになるじゃないですか。あれはどうなんだと。この本など読んでいると思えてしまったわけです。だって私みたいないい加減なのが選ばれたら、私も困るが、それ以上にその裁判で裁かれる人が困ると思うよ…。あと原告の人も。どんなに理性的にいようと思っても、脳内が感情だけで占められてるような人間には、法廷などという理詰めの世界(いやそこに血は流れているとは思うが)は、あまりにも遠く想像の及ばないところですよ。