オノナツメ「さらい屋五葉 1」

さらい屋五葉 第1集 (IKKI COMICS)

「リストランテ・パラディーゾ」とは毛色の違う作品を読んでみたかったので、購入。江戸時代、藩でお役御免になって浪人暮らしをしている主人公・政と、「かどわかし」を生業にする「五葉」の物語。
　現代物でない作品ということで、大分絵柄というか、タッチが違って見えました。こちらも面白かったけど、登場人物が大勢出て来て、それぞれにくせのある人物ということもあり、「リストランテ・パラディーゾ」にあったような、お話のまとまりは陰を潜めている印象です。もっともそれは、あちらは女性主人公の恋愛が、判りやすい一つの大きな物語の中心として機能しているという設定があるのに比べ、さらい屋五葉は、主人公が作中にある大きな物語の核心から、故意に遠ざけられている設定にある*1ので、その違いが大きいかと思われる。
　続き物なので、今後に期待。個性豊かなキャラクタを配した設定なので、これからどこまでそれを生かして、物語を掘り下げて行くのか、みものです。

*1:主人公は、どうして他の登場人物が「五葉」を名乗り、かどわかしをし続けているのか、一切が知らされていないままの状態にある