「贋作・罪と罰」

 さっき、録画の消化をしていました。そんなことをしている暇があれば、あれとかこれとかやりなさいよって話だが。最近録画が溜りまくりなので、気分転換も兼ねて、一つ見ることにした。少し前に放送された、野田秀樹脚本・演出「贋作 罪と罰」。



 これ、凄い。



 ちょっとどうしたらいいか、よく判らないくらい凄かった。最後の2・30分くらい本気で泣きっぱなしで、涙も鼻水もだばだば流しながら見た。見終ってしばらく何も出来なかったよ。これ書いてる今も、色々思い出し泣きしそうだ…。

 見ながら色んなことが一気に脳裏をよぎったし、頭がもの凄い勢いで動いて、本当に沢山のことを考えたのだけど。
 クライマックスで見せる松たか子の慟哭の前では、全てが霞むよ。
 もう泣いたり悲しんだりするようなところを遥かに通り超えてる。あの時の彼女は、もう主人公の英じゃないの。松たか子ですらない。真面目で強くて一途で、だからこそあまりにも不器用で愚かな、悲しいくらい、一人のただの人間なの。人の根源にある感情を剥き出しにした姿で立ってる。
 あの姿を見たら、もう何もかもが霞むんだよ。他のことなんかどうでもいい、たった一つ、自分を繋ぐ為に、身も蓋もなく全て投げ出して問うんだよ。自分という存在が間違い、どんなに汚れていてもここにあることを、あなたは認めるのか。許し、そして愛してくれるのかと。



 あぁ、まだ涙出る…泣きすぎで頭痛いよ。