思い出すことなど。

「ぼくらの音楽」に、ウルフルズトータス松本が出演していた。なんでか知らないが、この人のことを見ると、無性にSを思い出す。関西弁の感じが似て聞こえるのかもしれない。関西弁を話す人なんて、世の中には本当に沢山いるわけだが、他の人だと思い出さない。不思議にトータス松本限定だ。出身地域が近いのだろうか。
 もっともこんなこと言ったら、本人からどつかれるに決まっているので絶対言えやしないのだが。そもそもSは妙齢の、しかも滅多ないほどの美人な女性であるし、あんないかつい兄ちゃんに例えたら、どつかれるも当然といえば当然の話。でもなんだかいつも、ふっと思い出す。

 テレビで彼の顔かたちなどをしげしげ観察してみたが、外見はそんなに、というか多分全然似ていない。二人とも鼻筋はすっと高くて通っているので、ごく部分的には似ていなくもないのかもしれないが、まあその程度。外見が似ていないとするなら、たかだか関西弁のニュアンスの相似くらいしか、イメージの重なり合うところがない。「彼とSの共通点なんてあるのかな。あるとしたらなんだ?」と考えながら番組を見ていた。

 番組は対談ゲストに渡辺満里奈ちゃん*1を迎え、それぞれの家庭での話題を中心にトークが進む。旧知の仲であるらしい二人の会話は和やかで、それぞれに自分の話をしたり、相槌を打ったり、爆笑したり、見ていても非常に楽しい。メインの歌は三曲唄った。一曲目はカバーで「春一番」、二曲目は生まれ年が同じアーティストとして親交のある田島貴男斉藤和義スガシカオとのセッションで「バンザイ〜君を好きでよかった〜」。最後は新曲のサムライソウル。
 満里奈ちゃんがトーク中に言っていたことだけど、「時に変なことを言ったり、大きな態度*2を取ってみせても、実はすごくシャイ」というのが、どこかSと似ているような気もした。あと多分、トータス松本が歌う時の圧倒的にソウルフルな様子。照れくさいようなことと正対して、真っ直ぐ大声で歌い切ってしまう、正しい熱さみたいなものが、なんとなくSの普段の面白さと、相反する照れ屋な部分、それから真面目さを思い出させるのかなと思いました。持っている「熱」、その温度が、多分似てる。もうしばらく会っていない。連絡もしてないけど、元気にしてればいいなぁ。



 で、音楽番組だけに、彼等も音楽を聴かせてくれたわけですが。非常に見応えがありましたよ。実は特に見るつもりなく見始めたのだけど、いつの間にか見入って最後まで見てしまった。
春一番」はオリジナルがキャンディーズのポップチューンだということを忘れさせるような、大変渋い仕上がりになっていた。私はあんまり音楽のジャンルやカテゴリみたいなものを本当に判らないので、上手い説明をしようもないが、漠然とフォークだと思った。オリジナルがフォークの流行と似たような時代だろうから、フレーズからそうした印象を受けたのだろうと思うが、オリジナルが所謂アイドルの歌謡曲なのに比べて、今回のアレンジではコードも減らされて、もっと無骨で男くさい手触り。
 二曲目のセッションは、私の好きな人達ばかりと寄り集まったセッションだったので、もう言うまでもなくウハウハ。見た目も歌も、とにかくもっそい濃ゆーい取り合わせの中では、スガシカオがもっそい可憐なかわいこちゃんに見えました(笑)。まあ、シカオちゃんはいつでもどこでも、とりあえずその存在が「かわいこちゃん配置」ですが*3。田島とか斉藤和義とか、本当に久しぶりに見ましたよ。田島は…なんかこう…ますます濃くねっとりとした味わいに…!(喜)
 新曲も、ちゃんとフルサイズ聴いたのは初めてでしたが、本当に捻りのないストレートな楽曲に仕上がっていて、実にウルフルズ・そしてトータス松本らしくていいね。あれだけ真っ直ぐ、直球ばっかり投げるのも勇気がいると思うけど。それを臆せずやれるというところが、ウルフルズの変わらぬ良さなんだろう。あと思ったのは、トータス松本はきっと何を歌っても「ソウル」なんだな、ということ。普段全然、触れ合わないアーティストさんなのですが、すごくいい歌い手さんだなぁと改めて思いました。楽しかった。



 ところで今後の放送予定で、4月に井上陽水が出演するとのこと。トークゲストは山田詠美。……色んな意味で、想像がつかなすぎる……。見ねば。

*1:好き。かわいい。

*2:横柄ということではない…

*3:歌っている楽曲のやや奇矯な部分(失礼)含め、切り口が抜群で、更にあの外見と声と揃っているとくれば、とりあえず「かわいこちゃん」と称さずにはおれない逸材です←私調べで