マリノスの抱える空白。

 今日になって、くまー仙台に電撃移籍。…ここニ三日で起きたことに、どう触れていいのか正直よく判らない…。
 山瀬のニュースとか、もう本当に気の毒で、関係ない私が何故かしょげましたよ…。戦力云々という部分は度外視して、山瀬の腰がどうかよくなりますようにと祈る。本当に怪我の影響とか痛みを堪えずに済む状態で、ただもう心行くまで好きにサッカーをさせてあげたいよ…。



 で、くまの話ですよ。新体制発表もあったので、もうこれで今季は確定、選手の増減なしと思った矢先に、くま移籍のニュース。夕方携帯でオフィシャル覗いた時に、思わず驚いてまじで?って大きな声を出してしまった。結局横浜在籍一年ですか、くま。本当に短かった…。残念で仕方ない。昨年一月、あるいは一昨年12月のことになるかもしれませんが。くま横浜に入団という発表を聞いた時は、本当に嬉しかった。面白そうで、ちゃんと見てみたいと思っていた選手だったので、当時は相当浮かれたものです。
 このエントリでは、くま移籍から、マリノスのチーム事情を改めて考えます。



 昨季はA3、ACLと試合数も多く、若手にも出場機会があるのではと思っていたところ、苦戦続きで目の前の勝ち点を確実に拾わざるを得ず、かえって試行錯誤や挑戦といった意味合いの濃くなる若手の出場は、あまり望めない状況。その中でも、少ない出場機会を得た選手の皆さんはそれぞれに気を吐き、頑張ってくれました。中でもとりわけ、くまは、出ればある程度、目に見える形での活躍があったように思います。点も取ったし、印象に残る素敵パスもあった。
 実際今年の契約更新も早かったことを思うと、チームはくまを評価していたし、必要な戦力と考えていたことは間違いない。だから、決してくまを無下に手放したのだとは思いません。思いませんが。なんとかならなかったのかと、考えることもまた止められない。だって完全移籍だって…。
 最終的に移籍は、選手の意思一つという部分があるでしょうから、くま本人が決めたことを、チームが覆せなかったということでしょう。くまに強い意思があったからこそ、どうしても引き止められなかった、それ故の完全移籍だと思いますけれども*1。それでもこの時期に来て、あまりに手痛い放出。



 大橋の完全移籍に際して、私は「チームの戦力」という面に関しては、敢えてそんなに触れなかった。タイミングで山崎移籍に関してはブログで触れられていませんが、山崎も、くまも、移籍に関しても基本は大橋移籍同様のスタンスです。彼等の選んだことだから、それぞれの新天地でどうか活躍して欲しい。前向きに送り出す気持ちです。
 しかし、では私が「チームの戦力」のことを考えないのかというと、勿論そんなことはない。当然ない訳です。考えないでおれる人がいるものかちゅー話ですよ。
 この冬は基本的に大型の補強がないということは、既に承知しています。横浜は現有戦力だけでも充分に戦える、という言葉も、あながち嘘ではないでしょう。元々すごいメンバーが揃っているチーム。昨年と違って試合数も遠征も減る。怪我等での離脱で、昨年ほどの打撃を受けることはないだろうという予想も、頷けなくはない。「これで戦える」という言葉が、道理のないものだとは思わない*2

 でも私が気になるのは、そこではなくて*3。もっと先の話。本格的に世代交代の必要に迫られる時、このチームはどうするのだろう、ということ。昨年、山瀬を獲得した意味は何だったのか、忘れてしまったのではないかと、悲しい勘繰りをしたくなります。

 そもそも横浜は、怪我がちの山瀬を獲得することに難色を示していたと言われています。その中を、岡田さんが「それでも」と強行する形でオファーを出した。その理由の一つは、現在の横浜において、「ごっそりと抜けてしまっている若手〜中堅層を埋めて、チームを引っ張っていく選手」が、必要だったからじゃなかったですかね。

 若手をうまく育てて来れなかった代償に、ごっそり空いた年代層。

 確かに山瀬は横浜を選んでくれたけれど、その山瀬がいたら、それでいい訳じゃない。その辺りの年代を「底上げする為のカンフル剤、起爆剤」としての山瀬獲得だっただろうに、しかし一年経って蓋を開けてみたら、山瀬と同年代の選手ばかりが根こそぎチームを去っている、この現状。溜め息も洩れます。
 依然埋まらない危うい空白を、横浜は今年も抱えたまま、戦うことになりそうです。
 しかし、こういう状況になったからこそ、若手には更なる奮起を期待したい。後藤とか、本当にチャンスだと思う。頑張って欲しいものです。当然、その空白を埋める選手の一人であるところの、那須や隼磨、坂田等々には、これまでより一層、期待したいと思います。



 山瀬には鶴鶴鶴。

*1:そうでないとするなら、それは本当に大問題。流石にそこまでフロントを疑いたくない…。

*2:寧ろ戦えてくれないと困る。何よりそういうメンバーだと信じてますのでね

*3:いえそこも充分気になりますけど…