この悔しさを糧にして。

実はずっと首を長くして待ってました。満を持して発表になった岡田さん続投の報を。
以下、続投に纏わるぼんやり雑感など。今年は「長文」雑記は、これで終わりかな?



改めまして、岡田さんが来季契約更新の公式発表(http://www.so-net.ne.jp/f-marinos/tools/cgi-bin/view_news.cgi?action=view&nid=2657)。

スポーツ情報誌等見るところによると、横浜側からは複数年契約を打診。岡田さんが一年を希望されたとのこと。以前、岡田さんの去就が話題に上がった際にも、社長は「長期政権を考えている」という主旨のことを周囲に洩らしていたようですし、余程のことがなければ、来季も岡田監督でという方針は揺るがなかったのだろうなと思います。



第33節セレッソ戦後、俄かに岡田さんの去就が騒がれ始めた頃のこと。試合後、松田さんがこうコメントしていました。

Q:岡田監督の去就が噂されているけれど。
「やってもらわなければ困りますね。辞めたら、逆に責任逃れだと言いたいですよ。俺たちは100%あの人を信じてやってきて、2年連続優勝できたわけだし。日本人の監督だったら、あの人にしかついて行く気がしない」http://www.jsgoal.jp/club/2005-11/00026745.html

ご記憶の方も少なくないコメントだと思います。私もすごく鮮明に記憶に残りました。
折に触れ岡田さん自身も仰っているように、「親しくなれば、それだけ情が移る」。一歩間違えば、判断力が鈍る危険を孕む場合も出てくるかもしれない*1。選手が監督に対しての気持ちをどう零そうが、どれだけ慕おうが、フロントにはフロントの仕事がある。「切らなければならない」場合には、きっと迷わずそうしたに違いない。
でも余程のことでもない限り、まだシーズン中に、社長の腹は半ば決まっていたように思います。岡田さん続投は既に、チームとしての既定路線のように見えました。後は岡田さんが受けるか否か。それだけだったように思います。

岡田さん続投という判断がいいことなのか、悪いことなのか。それは多分、やってみなければ判らない。新しい監督がチームに就任することで、チームに新しい波が生まれる。それによる様々な効能と、岡田さんに来季もお願いすることで、継続してきたものの力がいや増すようにすること。どちらにもメリットもあれば、リスクもある。両方を秤にかけた時、横浜はチーム全体が「続投」に傾いた。傍から見ていると随分前から、そちらに傾くことがごく当然の、自然の流れのようでした。



なんだろう。本当にさっきから当たり前のことしか書いてないんですけど(笑)。でもなんだか、すごく「続投」という方針になることも、実際「続投」に決定することも、私の中では不思議なほどすんなり納得できてしまったことです。
選手が慕っていた、続投を希望していたという以上に、やっぱり社長かな。ACLに敗退した時だったかの社長の作文が、頭に残っているから、パズルの最後のピースがしっくりはまるみたいな感覚を覚えさせるのでしょう。

 三ツ沢のACL最終戦の後、無粋な記者が私に「監督は来年のACLには何としても出ると言ってますが、契約は確か今年一杯とか…」「当たり前だろ、あいつだってこのままじゃ終われないだろ」質問をさえぎって私は初めてメディアの方に語気を荒げました。http://www.so-net.ne.jp/f-marinos/feature/letter/050531.html

「このままでは終われない」。今回の「続投」は、「ここまま絶対終われない」と何度も言い続けた社長の、意地が滲む決断だとも思いました。他の監督で戦うことも出来る。でも敢えてそうしないのは、おこがましいかもしれませんが、岡田さんにもう一度チャンスをあげたかったのではないかと思うのです。「もう一度、このチームで、ACLを目指して戦おう」と、そういうことだろうと思うのです。
長期政権に対して、常に酷く消極的な意見を述べる岡田さんが、敢えて1年契約を延ばしたのは、やはりこの点に拘ったからなのでしょう。選手達が「もう一度ACLに挑戦したい」と、心底悔しがったことを、多分一番近くで知っているのは、岡田さんだから。それが判るからこそ岡田さんも続投の要請を受けて、チーム全体の期待に答えることにしたのじゃないかと。もう一度「ここ」で戦うことを選択したのじゃないかと思います。
今年の悔しさを選手と本当の意味で共有出来る監督は、一緒に苦しんだ岡田さんだけ。社長の言った通り、「今年の成績を糧にして来年を戦えるのは岡田監督しかいない」から。



私が岡田さん続投を歓迎するのは、そうした気持ちからでした。私はやっぱり、もう一度岡田監督と戦うマリノスが見たい。岡田さんと一緒に戦おうという気持ちが、シーズンが終わりに向かっていく間に、沸々と身内に募っていたのです。
感情論ではサッカーは出来ないけれど、私がサッカーをする訳ではないし(苦笑)。人はやっぱり、最後には絶対に感情で動く生き物だから、「今年一緒に苦しんだ、だからこそ」の続投。全然アリだと思います。

これでまた負けず嫌いの社長と岡田さんと選手達のサッカーが見れるよ(笑)。来年が今から待ち遠しいね。だから来年、もう一度、てっぺん目指して戦いましょう。






…とかってだらだら長文書いてたら、こんな記事(http://www.kanaloco.jp/sports/soccer/0512/jw05122001.html)が上がってた。「辛酸舐めた選手で戦ってもらう」って。「落とし前をつけてもらう」って…! 想像通りすぎつーかなんつーか! とりあえずこの瞬間、社長とシンクロ率90%超え?って思った(笑)。

*1:そういえば岡田さんは、そうした事態を避ける為に、選手とは絶対に一緒に食事に行かない、結婚式にも出ないそうですね