浅田寅ヲ。パイドパイパー4巻。

パイドパイパー 4 (バーズコミックス)
 もー本当に死ぬほど浅田寅ヲが大好き。もう十年来、ワタクシ、浅田寅ヲ作品の奴隷です(え)。新刊の4巻は、バイオレンス度は高まってるけど、同時に取り巻かれた環境から、いよいよキャラクタ各人の人間味が露になり始めていて、大変面白い。そういう心情的な部分での読みを深くするのも面白いし、アクションもあるしで、相変わらず読み甲斐ありすぎる大満足の一冊。
 表紙カバーの裏側折り返しに、今回登場キャラクタの身長対比図っぽいイラストがあって、それがまたとてもかわいらしかったー。尼龍の従姉妹の4姉妹が再び登場してくれたのは、凄く嬉しかった。あのお姐さまがたと、それに完全服従の尼龍という構図が大好き(笑)。
 今回一番ギャグツボは、「小さい春見つけたけど〜」「ないない!」という尼龍の必死な会話でした*1。小春ちゃん、作中でもっとも見た目に判りやすい悪逆非道系だよー、爬虫類系だよー怖えーとか思うが、実際には見た目に判らなくとも、恐らく小春ちゃんより当然のようにもっと怖い人達がごろごろ転がっている漫画なので、バイオレンスが苦手な方にはあまりお勧め出来ないところがある。でも私は、絶対面白いと思うけど! 好き嫌いは個人の感覚だからね!
 吹き出し部分のトーンで、登場人物が現在、何語で喋っているか視覚的に判るように描かれているが、何ヶ国語も飛び交うので、一回ではそのシーンのニュアンスを正確に把握しきれません*2。これから何度となく再読して再読して、スルメのように長くじっくり味わいます。寅ヲラブ。ここ三年くらい、ずっと私はイチオシの漫画家ですよ。好みが激しく分かれる作家をばかり愛してしまう私ですが。好みが分かれると判っていても、寅ヲはお勧めする。いやマジで。凄いよ。この画力とセンス、ヤバいよ。天才だよ?

*1:読んでないと全く意味判らない会話だが、読んでない人に説明するほどの内容でもない

*2:一緒にいる相手の中でも、話を聞かせたくない相手に通じない言語を選んで会話していたりする…。設定として自然な行為だが、それをきちんと瞬時に読み解くのは、ちょっと私には難しい