色川武大

 の短編「連笑」を読んだ。堪らん。これ凄いよ。いや、凄いとしか表現出来ない話って、本当に凄いんだよね。久しぶりに、舐めるようにじっくり熟読したい本に巡り会った。
 というか、私は色川との出会いが、どう考えても遅すぎると思う。少なくともあと数年早く巡り会っとくべきだ、と思ったのだが、その頃に読んでいたら、今ほど響かなかったかもしれないとも思った。「いい本」というのは、その巡り会いのタイミングも含めて、「いい」ものなんである。今回の本が、まさに「いい」本だったのは実に幸いなことですよ。
 しかし世の中には、私がまだ巡り会っていない凄い本と、凄い作家が沢山いるのだわーと改めて思った。あとどれだけ、こんな感動を味わえるのだろう。年取ると感動できなくなるというからなー(笑)。
 昨日は一日、ベッドの中で本を読んで、音楽だけ聴いて、他の全てをシャットアウトしてた。贅沢。ちょっと自分を取り戻して元気になる。