ナビスコ杯準々決勝1leg 磐田戦。

 マルケスが怪我から復帰したこと、松田久保というチームを盛り上げる選手が得点したこと。先制されても諦めず、粘って逆転出来たこと。そして何より、きちんと勝利という結果を出せたこと。180分の中の前半戦が終わっただけだけれど、まずは2-1の勝利にほっとした、ナビスコ準々決勝・磐田戦。試合を見に行かれた方のブログなど拝見していると、「久保ゴールに泣いた!」という熱い感動込み上げる感想が多々更新されていて、拝見した私も感動の御裾分けをいただけた気分です。

→ゲームデータ【http://www.f-marinos.com/topteam/report/?code=1148574998】:監督コメント
 試合感覚が開いて、いろいろと修正もして今日は新しい出発点だと考えていた。そういうゲームに、競り合いの末に勝つことが出来た。(中略)そういった意味でも、大きな1勝だ。

→選手コメント【http://www.jsgoal.jp/news/00033000/00033906.html
→ゲームレポート【http://www.kanaloco.jp/sports/soccer/0606/jw06060401.html



 試合後の監督コメントや、スポーツ紙系のレポート記事などを拾い読みしていくと。…試合の内容は、あまり芳しくなかった感じ…?
 那須の公式メッセージや試合後コメントなど見ると、「とにかく結果重視。修正点はたくさんあるが、勝てたのが何よりの収穫」という言葉が頻発していて、相変わらずチームが苦しい状況の中で足掻いている様子が透けるようです…。以下、6月5日付の那須公式日記から。

06/05/2006

久しぶりの勝利!

個人的には納得したプレーではなかったですが、
久しぶりの勝利になってちょっとほっとしています

 これが多分、選手達の偽らざる本音なんだろうと思いました。「納得はしてない」けど、「久しぶりに勝利」できて、「ちょっとほっと」している。これは決して皮肉とか、揚げ足を取っているわけではなくて、本当にそういう気持ちなんだろうなぁと思ったのです。これだけ長い間、チーム全体で不調の状態を迎えていれば、そりゃ多少納得行かなくても、勝利という結果を出せたことにまずはほっともするだろう。
 アウェーゴール方式が採用されているから、2-1という結果は、決してアドバンテージとして大きなものにはなりえない。寧ろ次のアウェー戦こそ、相手はホームだし必死で戦ってくる。きっちり気を許さずにかからなければ、どんなしっぺ返しに遭うかも判らない。そんなことは、多分選手の皆さんが誰よりよく判っていること。
 でも、まずは「ちょっとほっと」してしまうくらい、思えば横浜はずっと不調なんだと。そういうことを改めて考えてしまったのです。

 なかなか勝てない状態が続いていた中で、少し試合の間隔が空いての、この磐田戦だっただけに。チームとして、期するところのあった試合だったと思います。この試合で「間違いなくチームのエース」というべき選手が得点して勝てたことは、大きな意味がある。きっとこれが目に見えないところでも、チームの追い風になるでしょう。松田と久保、横浜にとって特別な選手ですから、チームの追い風になる期待を抱かせる結果のように見える。上記で引用した監督コメントのように、これが横浜にとって「新しい出発点」になってくれればいいなと思います。素直に思う。
 でも選手の中で確乎たる気持ちとして、「新しい出発点になった」かといえば、それはもしかしたら、違うのかなとも思ってしまった。この磐田戦の勝利は、そこまで強い確信にはなりえなかったのかもしれない。残念ながら。悲観的になりたくはないけど、選手コメントを読んでいると、それほど強く「手応えを感じた」と思えるコメントがなかったから。いつものエントリと重複するようですが。やはり変化はちょっとずつなんだね…。
 このところ試合の後、選手や監督コメントなどに目を通す度に、上手く言葉にならない気持ちがもやもやして。ずっとまとまったエントリを出来なかったのですが。その間、ずっと私が思っていたことは、「あとどれだけ、この状態に耐えればいいのか」ということだったように思います。
 選手が試合の終わる度に繰り返す、「とにかく結果」という意味の言葉。勿論、勝負事の世界のプロである限り、勝利という結果をまず第一に求められるのは当然のことだけれど。それでも、そういう部分以上のどこかで選手達はずっと、勝っても負けても、こういう主旨の言葉を繰り返し口にして来た気がする。「とにかく結果」って。当たり前のことなのだけど、それに触れる度に、段々苦しくなりはじめた。「この状態は、いつまで続くんだろう」と思って。



 上手く行かない時は、まずは原点に立ち返ること。試合の中で、ひたすら貪欲に「勝利」を目指すこと。その為に、「とにかく結果を」と選手達は思って試合をしているのだと思うけれど。今年は監督から与えられた明確な方法*1がないから、いざ原点に立ち返ろうとした時、「気持ち」みたいなあやふやなものしか、軸になるものがないのかもしれない。
 よく「気持ちが足りない」なんて言うけれど。気持ちをピッチで「表す」為の「足がかり」が、多分、今の横浜の選手には必要なんだと思う。個々の選手が状況に応じて、もっと考えて、もっと動いて、もっと確実にプレイすることは、当然求められるべきこと。プロなんだから自分で考えろという意見は当然あるだろうし、私もそう思う。考えて判らなくても、とにかく闇雲でも動けという意見もある。それももっともだと思う。だけどそれをするにも、チームがあまりにも迷ってしまったのかなと、ぼんやり思う。迷いすぎて、走ろうにも動こうにも、それすら躊躇わせるような*2
 チームの立て直しは、当然監督は考えていると思う*3。ただレポートなど読む限り、磐田戦でチームに変化があった様子がないのをみると、もしかしたら混乱を避ける為に、中断に入るまでは、敢えてあまり大きな変化を与える手を打たなかったのだろうか、という気もしなくはない…。ここまで混迷のチーム状況で、そこに示唆を与えるのが監督の仕事だから。「足がかり」になるものだけは与えてくれているだろうことを、切に願います。あとは中断後。どういう手を打ってこの状況を立て直してくれるのか。



 なにはともあれ、次のアウェー磐田戦ですね。ここまで来てしまって、もう試合の内容に焦れても仕方がない*4。とにかくここを乗り切ることが、目下の至上命題。隼磨公式のメッセージにもあった通り、「引き分けでいいなんて考えてたら痛い目にあう」。なんとしても結果を掴んで、次へ向かわねばなりますまい。次の試合も私は見ることが出来ませんが、見に行かれる方にこっそり気持ちを託させて頂きたいと思います。まだ前半戦が終わったばかり。どうか後半戦も勝利で、中断期間に入れますように!



 今年に入ってからのエントリー。延々ネタが重複して無限ループみたいになってしまって申し訳ない…。というか、横浜関連のエントリー自体が、大変久しぶりになりました。えーと…、ご無沙汰しておりましたー…。待っていて下さった方がいらしたら、申し訳ありません…。――まあ、あんまりいないと思いますが(苦笑)。

*1:戦術とかそういうもの

*2:もしこの推察がその通りだとして、「だからこそプロとして甘い」と言われれば、私はその意見にもやっぱり納得してしまうのですが…

*3:というか、実際手も講じているはずだ、そうじゃないと困る…

*4:焦れようにも試合を見れていない私は、久保ゴールに感涙する機会にすら恵まれなかったわけですが!